『キングスマンファーストエージェント』黒幕は羊飼い?「闇の狂団」ラスプーチンやプリンツィプ、マタ・ハリなど歴史上の人物が敵?【Vol.3】

アクション映画

『キングスマンファースト・エージェント』の物語にいよいよ黒幕ヴィランが登場します。

断崖絶壁の山頂に建つ小屋の中に集う集団の正体は?

今回は『キングスマン:ファースト・エージェント』前回の続きから、完全ネタバレありのあらすじを感想を添えて解説いたします。



『キングスマンファーストエージェント』黒幕は?羊飼い?「闇の狂団」の目指すものとは?

前回のあらすじ紹介はこちらをご覧ください。

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断崖絶壁の山頂にある山小屋の中へ入ってきた大男は、

「羊飼いよ、ファベルジェの卵をあなたのために作った。その中には、あなたのお気に入りのヤギ アンガスの像が。」

こう話して、この集団のリーダーである“羊飼い”のご機嫌を取ってるようですが、リーダーである“羊飼い”は「遅刻だ、座れ。」と言って、その大男からの好意をバッサリ切り捨てます。

★豆知識★

ファベルジェとは…

ロシアのサンクトペテルブルクで1846年に生まれた宝石商、ピーター・カール・ファベルジェ(1846~1920年)が創業した高級ジュエリーブランドです。特にロシア皇室御用達のイースターエッグで知られており、ロマノフ家のために作られたものも有名です。クリスマスには世界中の王侯貴族がファベルジェの作品を注文したという逸話もあります。

世界中の王侯貴族がこぞって欲しがるほどの、高貴な品物がファベルジェなんですね〜。

そんな高価なファベルジェを一刀両断した“羊飼い”。

羊飼いとは一体何者なんでしょう?

“羊飼い”は声とそのシルエットでしか姿を現しません。



羊飼いは信頼とは何であるかとそこにいる皆に聞きます。

そして羊飼いは自分自身の信念を語ります。

「信頼とは他者の正直さを信じることだ。我々は、それを武器にして世界を変える。私が信じるのは動物たちだ。動物は私を裏切らないし、命令されれば盲従する。問題は私が、お前たちを動物と同様に信じられるかどうかだ。」

羊飼いはそこにいる皆に、自分に絶対的に服従をするかどうか見極めているようですね。



『キングスマンファーストエージェント』史実にある歴史上の人物が悪役に?ラスプーチン、プリンツィプ、マタ・ハリ…

そして、羊飼いは席についている皆の前に置かれている“箱”を開けるように指示します。

その箱の中には、“指輪”が入っており、指輪にはそれぞれの人に違う種類の動物のシルエットが描かれていました。

羊飼いはこの指輪は、その指輪をつけている者は自分の信者であるということがわかるシンボルであると告げます。

そして、この指輪をはめている者は、自分たちと一緒に成功を分かち合えるのだと言います。

皆、指輪を手に取り、じっくり眺めています。

成功を分かち合えるのは、あくまで任務に成功した時。

与えられた任務に失敗し、羊飼いを失望させたなら、その指輪は凶器に変わります。

実は、その指輪の中には毒が入っているんです。

羊飼いからの“最後の贈り物”が自決するための青酸カリなのです。



遅刻してきた男は、自分の指輪の動物がカメだったことに不服のようです。

自分ならもっといい動物ではないのかと。

なぜならこの大男はロシアの皇帝でさえも意のままにする、あの怪僧「ラスプーチン」です。

事実は小説よりも奇なりにまさに当てはまる人物がグレゴリー・ラスプーチン。このラスプーチンはなんと実在した人物だったんですね〜。

この「ラスプーチン」を演じたのは、リス・エヴァンスです。

ラスプーチンについては、こちらで詳しく紹介しています。ぜひご覧ください!

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自分の指輪の動物がカメだったことに不満を漏らすラスプーチン。

ラスプーチンの横にいた男に、自分の指輪と交換するか聞かれます。

その男の指輪にはクマが描かれていました。

その男の名はセルビアのテロリスト「ガヴリロ・プリンツィプ」でした。

ラスプーチンは自分はカメではなく、強いクマだと言って指輪を交換しようとします。

そんなやりとりを見ていた向かいの席の男は「好きなようにしろ」と言います。

そしてその男は、リーダーである羊飼いに敬意を払うように、ラスプーチンが仕えているロシアの愚かな皇帝と羊飼いは違うとラスプーチンに注意します。

さらにその男の横に座っている女が、ラスプーチンにクマの指輪を取るように言います。



この男はドイツのニセ預言者である「エリック・ヤン・ハヌッセン」と女はダンサーであり女スパイの先駆けとして名を知られている「マタ・ハリ」でした。

 

ハヌッセンとマタハリは、会合に遅刻し、また自分の与えられたものにたいして文句を言うラスプーチンに一言物申したかったんでしょうね。

白熱する口論に発展する前に、リーダーである羊飼いはハヌッセンとマタハリに我々はチームだと言ってなだめます。

そして羊飼いにとって、ラスプーチンは自分の愛するヤギのアンガスと同じであると。何が同じかと言うと、ラスプーチンもヤギもやることは頭突きと交尾だけだと辛辣な言葉を投げかけます。

さらに羊飼いはヤギに近づくと、おもむろにさやから剣を抜き、なんとヤギを切ってしまったのです。

かわいそうなヤギ(T_T)



これまでの冷静な雰囲気から変わり、気性が荒くなった羊飼いは、ヤギを切った剣先をラスプーチンの方へ向け、羊飼いは…

「欠点を好むにも限度があるぞ、ロシアのクズめ!」とラスプーチンに向けて怒りをあらわにします。

目の前で切られたヤギの二の舞いにならないように、ラスプーチンは羊飼いを見つめながら、自分のカメ指輪を左手の小指にはめ、「カメは最後に競走に勝つ」と言います。

結局、ラスプーチンは羊飼いから最初に与えられた指輪を手にしたことで、羊飼いの怒りを鎮めることができました。

そして羊飼いは、自分のスパイを英国政府に送り込んでいて、そこから得られた情報の中で、キッチナー将軍がフェルディナンド大公の身を心配していると皆に話します。

更に羊飼いは、ラスプーチンの隣に座っていたクマの指輪のプリンツィプを名指しし、「キッチナー将軍が心配していることは正しいことなのか教えてやってくれるか?」とプリンツィプに指示を出します。

「必ず成功させろ」とプリンツィプに命令する羊飼い。そして、羊飼いは自分の強い野心を拳に変えテーブルに強く打ち付けます。

そして、そこにいる皆も同じように、テーブルに拳を打ち、羊飼いに賛同するのです。



このプリンツィプですが、実際の歴史上の人物で…

ガヴリロ・プリンツィプは、1914年6月28日にサラエボでオーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公を暗殺して第一次世界大戦の引き金となるサラエボ事件を起こした。

ガヴリロ・プリンツィプの任務は実際の史実にある事件と同じ、“フェルディナント大公暗殺”になります。

羊飼いをリーダーとする集団“闇の狂団”は、このプリンツィプの事件を引き金として、世界中の混乱を引き起こした第一次世界大戦へと発展させてしまうのです。

映画『キングスマンファーストエージェント』の最大の魅力は、史実にある重大な事件が“キングスマン”とクロスオーバーしてるところですね!

この先に待ち受ける歴史上の人物の登場や出来事が、どのように“キングスマン”と絡んでくるんでしょうか?

世界史を振り返りながら“キングスマン”が活躍するさまを見るのが楽しみですね。



『キングスマンファーストエージェント』プリンツィプはフランツ・フェルディナント大公暗殺を実行?!コンラッドの機転で回避!

闇の狂団のメンバーであるプリンツィプは、リーダーの羊飼いからの任務を受けフェルディナンド大公暗殺の準備を始めていました。

手製の爆弾をプリンツィプ自身の懐におさめて、プリンツィプはキャスケット帽を深くかぶり、赤いカシミヤのショールを首に巻いて、窓の外を確認しました。

窓の外ではパレードが行われていました。

フランツ・フェルディナント大公を乗せた車が沿道をゆっくりと進んでおり、道の両端にはパレードを見ようとたくさんの市民が集まっていました。

この時代の車は、現在のように車体は覆われていないので、乗っている人は丸見えな状態なんですね〜。

肩を並べて乗っていて、とても窮屈そうです。

現在は車の乗り心地や、パーソナルスペースも保たれているので、今はいい時代になりましたね〜(笑)



そしてフランツ・フェルディナント大公の横にはある人物が。

その人物は、オーランドオックスフォード公でした。

サヴィルロウにある高級テーラー“キングスマン”でキッチナー将軍に相談を持ちかけられていたオーランドオックスフォード公は、フランツ・フェルディナント大公の身の安全をとても心配しており、キッチナー将軍はオーランドオックスフォード公にフランツ・フェルディナント大公の“ボディガード”をお願いしていたのです。

フランツ・フェルディナント大公は、オーランドオックスフォード公が自分の招待に応じたのはキッチナー将軍から頼まれたもので、キッチナー将軍は心配しすぎていると話します。

フランツ・フェルディナント大公はキッチナー将軍が自分の命が狙われていると過剰に反応していると答えますが、オーランドオックスフォード公は、友人の警告を無視せず、私と一緒に来て、話を聞いて下さいとフランツ・フェルディナント大公にお願いします。

これには、フランツ・フェルディナント大公は反論せず、了承します。



フランツ・フェルディナント大公を乗せた車には、前方に運転手とコンラッドが、真ん中の列にオーランドオックスフォード公ともう一人、そして最後尾の列にフランツ・フェルディナント大公夫妻が乗っていました。

車の前方に乗っているコンラッドが手を振っている先には、赤い民族衣装のような服を着た女性がいて、その女性は笑顔で車に向かって手を振っています。

後になって、コンラッドがこの女性を見ていたことが爆弾から助かるきっかけになります。

その時、群衆の中で妙な動きをする者がいました。

それは爆弾を持ったプリンツィプでした。

プリンツィプは、大公を乗せた車が自分の近くに来ると、目の前にいた赤い服を着た女性を押しのけて、懐から手製の爆弾を出し、フランツ・フェルディナント大公の車めがけて投げました。

宙を舞いながら飛んでくる爆弾を、コンラッドは持っていた傘でバットのように打ちます。



★豆知識★

英国紳士は、雨が降っていなくても傘を持つようです。

英国紳士にとって傘は単なる雨具ではない。ジェントルマンたる威厳を担うステッキの役割も兼備する重要なアイテムである。

英国紳士の象徴である「ステッキ」の役割を担っていたほど、キリリと細く巻かれた長傘。
戦前までロンドンには「アンブレラローラー」と呼ばれる傘を細く巻くプロの職業が存在していました。英国紳士たちは、対価を支払ってまで細く巻いた傘をちょっとの雨では開こうとせず、ステッキとして日常的に傘を持ち歩いていたそう。

イギリスでは、日本の傘の概念(雨を凌ぐためのもの)とは大きく違い、傘を持つことは英国紳士の一種のステイタスだったようです。その風習は今も続いているようです。

このパレードが行われていた日はいい天気だったのに、コンラッドが傘を持っていたのは、コンラッドが英国紳士だったからということなんですね〜。

そしてこの英国紳士の象徴である“傘”は、キングスマンのものであるならば、それは普通の傘ではなく、スパイガジェットでもあるんです!!

キングスマンの胸踊るスパイガジェットについては、こちらで詳しく紹介しています。ぜひご覧ください!

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『キングスマンファーストエージェント』の物語の続きに戻ります。

プリンツィプの爆弾は傘に当たり、フランツ・フェルディナント大公の後続の車に当たって爆発します。

あたりは騒然としますが、フランツ・フェルディナント大公の命を守るため、オーランドオックスフォード公は大公を乗せた車を止まらせることはせず、急いでその場を後にします。

フランツ・フェルディナント大公を乗せた車が過ぎ去ったのを見送るプリンツィプ。

プリンツィプは羊飼いから与えられた任務に失敗し、その場を去りました。



『キングスマンファーストエージェント』オーランドオックスフォード公の後悔。父と息子の軋轢。

親善のために訪問した先で、歓迎どころか爆弾で自身の命を危険にさらされてしまったフランツ・フェルディナント大公。

フランツ・フェルディナント大公に同行していたオーランドオックスフォード公は、息子コンラッドを連れてきたことをとても後悔していました。

コンラッドをここに連れてくることをしなければ、コンラッドを守れるのにと。

それに対してコンラッドは、オーランドオックスフォード公に「守ってもらう必要はない。」と反論します。

コンラッドは父であるオーランドオックスフォード公から自立したいと思っているんでしたよね。

コンラッドに対して過保護気味になっているオーランドオックスフォード公。

「(コンラッドが)世界を知っているつもりでもまだ子供だ。人の怖さを知らない。」とコンラッドに諭します。

オーランドオックスフォード公は、これまで戦争も含め様々なことを経験してきたからこそ、コンラッドの考え方が甘いこともわかってしまうんでしょうね。

しかし、素直には父の意見を受け入れることはできないコンラッドは「母さんの死を見ただけでは不十分?」とオーランドオックスフォード公に尋ねます。

2人にとって最愛の人だったエミリー。その事をコンラッドに尋ねられたオーランドオックスフォード公は、何も言えず口をつぐんでしまいました。



『キングスマンファーストエージェント』サラエボ事件が蘇る?プリンツィプの二度目のチャンス。

あるテラス席のあるカフェの端の席に座っている一人の男がいました。

酒を飲み干し思い詰めた様子で、両手で握りしめた指輪を見ています。

ちなみにこの酒瓶は“STATESMAN(ステイツマン)”のウイスキーでした!

“STATESMAN(ステイツマン)”は“キングスマン”のいとこ同士のような存在の組織です。

この“ステイツマン”については、キングスマンシリーズ2作目『キングスマン:ゴールデンサークル』で詳しく描かれています。

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この男はプリンツィプ。羊飼いからの任務であるフランツ・フェルディナント大公暗殺を命じられていましたが、その任務が失敗に終わってしまいました。

プリンツィプは、指輪の中から羊飼いからの“最後の贈り物”である青酸カリを飲もうとしていました。

青酸カリを口に含もうとしたその時、「この道を?」と声が聞こえます。

それは、車に乗っている人物から聞こえていました。

フランツ・フェルディナント大公夫妻、そしてオーランドオックスフォード公とコンラッドを乗せた車が通りの角からこちらへ向けてやってきました。

それを見たプリンツィプは、フランツ・フェルディナント大公を乗せた車が自分の前の道を通り過ぎるのを見送りました。後部座席に座っているフランツ・フェルディナント大公に釘付けになりながら。

車はプリンツィプの座っている席の角を曲がりました。



そして、その道は行き止まりでした。

フランツ・フェルディナント大公の身を案じているオーランドオックスフォード公は、この道は危険だからすばやく車を引き返すように言います。

命の危険が危惧されているフランツ・フェルディナント大公を守れるところまで急いでいかなければなりません。

しかし、その道の角にはフランツ・フェルディナント大公暗殺を目論んでるプリンツィプがいます。

自身の命に変えて、フランツ・フェルディナント大公暗殺を成し遂げようとするプリンツィプ。

プリンツィプ手製の爆弾では暗殺は失敗に終わりましたが、今まさに目の前にターゲットのフランツ・フェルディナント大公がいるんです。

プリンツィプに二度目のチャンスが巡ってきました。



車がバックで引き返して、一番自分の近くに来た時、プリンツィプはお腹に隠していた銃を取り出し、そして目の前に来たフランツ・フェルディナント大公にめがけて発砲しました。

プリンツィプは、1発目は隣りに座っていたフランツ・フェルディナント大公の妻の胸に、2発目はフェルディナンド大公の首筋に発砲し、どちらもそれが致命傷となり2人は亡くなってしまいました。

プリンツィプもすぐにその場で取り押さえられました。

オーランドオックスフォード公は、フランツ・フェルディナント大公を暗殺の魔の手から救うことはできなかったのです。

 

これから『キングスマンファーストエージェント』の物語は一気に動き出します!

この続きはまた次回に!お楽しみに〜♪

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました(*^^*)❤



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