前回までの『キングスマンファーストエージェント』のあらすじは、史実にあった歴史上の事件「サラエボ事件」が実際に起ってしまいます。
オーランドオックスフォード公はキッチナー将軍から依頼されて、危険にさらされているフランツ・フェルディナント大公の命を護るために、オーランドオックスフォード公は息子のコンラッドと共にフランツ・フェルディナント大公の護衛についていましたが、“闇の狂団”のメンバーであるセルビア人テロリストのプリンツィプの手によってフランツ・フェルディナント大公と妻は無惨にも殺害されてしまいました。
今回はこの続きから、あらすじを完全ネタバレで感想を添えて解説いたします。
『キングスマンファーストエージェント』あらすじを完全ネタバレありで感想と解説
前回までの【Vol.1】〜【Vol.3】はこちらをご覧ください。
『キングスマンファーストエージェント』キッチナー将軍の心配が現実に。ドイツ・イギリス・ロシア君主はいとこ同士!?
フランツフェルディナント大公が殺され、オーランドオックスフォード公と息子のコンラッドは帰路についていました。
家へ帰る列車の中の空気は重たく、向かい合って座っているオーランドオックスフォード公とコンラッドは外の景色をただ眺めているだけでした。
最初に沈黙を破ったのは、息子のコンラッドでした。
コンラッドは「恐ろしいことが起きた。自分たちは安全か。」と父に聞きます。
父であるオーランドオックスフォード公「安全だが、それはいつまでか?」と自分に対して問いかけます。
オーランドオックスフォード公は、キッチナー将軍がなぜ心配していたのか、その理由がわかったと言います。
フランツ・フェルディナント大公は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者である人物でした。
そのフランツ・フェルディナント大公が暗殺されたことで、オーストリアは軍を動かす予定で、この暗殺は単独犯の仕業ではないと考えられていると、オーランドオックスフォード公はコンラッドに話します。
コンラッドは、それにたいして父に「セルビアは小国なのに、なぜこだわる?」か問いかけます。
オーランドオックスフォード公は、「小さい問題が大きく膨れ上がることもある。」と言います。
オーランドオックスフォード公は、なぜそう思ったのか?
それについて、今のヨーロッパの緊張状態が引き起こる前の昔話をオーランドオックスフォード公は話し始めました。
昔、3人の幼いいとこがいた。一番年上は問題児(わがままでよく喧嘩をふっかけていた)祖母のヴィクトリア女王は厳しくしつけた。その一番上の子が後にドイツ皇帝“ヴィルヘルム”。二番目はロシア皇帝“ニコライ”。一番下は英国王“ジョージ”。大公が暗殺され、愚かなドイツ皇帝はまた戦争ごっこを始めるかも。
★豆知識★
第一次世界大戦前のヨーロッパは緊張状態にありました。
今回登場した3国のドイツ・ロシア・イギリスですが、ドイツはオーストリアとイタリアと同盟を結んでいます(三国同盟)。
ロシアとイギリスはフランスと同盟を結んでいます(三国協商)。
なのでドイツは同盟国であるオーストリアが軍を出すと言っているので、それにドイツも賛同するということなんですね。
そして、セルビアを支援しているロシア、イギリス、フランスは後に連合国(協商国)として、後に第一次世界大戦へと発展してしまうのです。
『キングスマンファーストエージェント』ドイツ皇帝カイザー側近は「闇の狂団」メンバーのエリック・ヤン・ハヌッセン
コンラッドは、その昔話は子供時代のことであって、今は3人とも大人であるといいますが、オーランドオックスフォード公は、(3人とも)大人であるといいが…と含み有りげな様子。
幾ら歳月が流れたとしても、人ってそう簡単に変わらないですよね〜。
また関係性が幼い頃からとなると、その人の前では幼い時のようになってしまうこともあると思うのですが。
この3人の中で一番年下であるイギリスのジョージ国王は平和を望んでいるのでそれは幸いなことであるとオーランドオックスフォード公は言います。
平和を求めるジョージ王は、戦争が目の前に迫っているこの状況をなんとか回避するため、幼い頃の3人が写っている写真を複写して手紙と一緒にそれぞれの王に届けるようにキッチナー将軍に伝えます。
キッチナー将軍は、副官であるモートンにやらせると答えます。
そしてジョージ王からの写真と手紙を受け取ったドイツの皇帝ヴィルヘルムは怒声とともに副官のエリックを呼びつけます。
そして、皇帝(カイザー)はジョージ王からの手紙を声に出して読み上げます。
“自制は美徳だ。自分の義務を忘れるな。”そして自分に対して“何もするな”と言っていると。
怒った皇帝はその手紙を投げつけます。
皇帝は、側近のエリックに何か言って欲しそう。
あれ?このエリック、どこかで見たことがあるような…
そうです!断崖絶壁の小屋で、ラスプーチンに「羊飼いに敬意を払え」と言っていた男「エリック・ヤン・ハヌッセン」です!
ということは、ドイツ皇帝の側近のエリックは「闇の狂団」のスパイであるということですね。
そのスパイであるエリックは、ドイツ皇帝ヴィルヘルムにこう助言します。
「ジョージ王は、障害を持つあなたが拷問のような治療を受けるのを見て、こうからかいました。“欠陥がある”と。」「隣で笑っていたのは、今はロシア皇帝となったニコライです。」
ドイツ皇帝ヴィルヘルムの昔の思い出したくないような思い出をあえて話すエリック・ヤン・ハヌッセン。
それを思い出したヴィルヘルムは現在の怒りが正しいこと、何もしなければドイツが世界の笑いものになることをエリック・ヤン・ハヌッセンは、ドイツ皇帝(カイザー)ヴィルヘルムに吹き込みます。
そして、英国王の手紙は無視するべきだと。
カイザーは英国王ジョージがしていることは“余計な口出しをするな”ということだなと納得します。
『キングスマンファーストエージェント』ロシア皇帝の食卓にはラスプーチンが。ロシアにも「闇の狂団」の魔の手が。
一方ロシア皇帝ニコライはジョージ王から手紙でカイザー(ヴィルヘルムのこと)と争うなと求めてきたことを食卓で妻に話します。
ロシアはイギリスと同盟を結んでいる国であり、妻は「ジョージ王は私達の味方」であるとジョージ王に賛成します。
そして、ニコライの妻は「なぜ些細なことで戦争になるのか?」と疑問をニコライに投げかけます。
しかし、ロシア皇帝ニコライは、「セルビアに約束した。そして自分はカイザーが嫌いだ。尊大なエゴをぺしゃんこにしてやる。」とドイツと戦争をすることで積年の恨みを晴らすような発言をします。
こんなことを聞いてる妻は不安げな表情をしていますが、子供たちは笑います。
そしてその発言を「賢い決断だ」と称賛する声が。
その声の持ち主は、長髪に髭面の黒尽くめの大男「グレゴリー・ラスプーチン」です。
ラスプーチンは「あなたがいれば、ロシアは安泰だ。」と言います。
ラスプーチン…断崖絶壁の小屋に遅れて入っていった大男。「闇の狂団」のメンバーでしたね。
ドイツに、ロシアそれぞれの国の王に最も近いところに「闇の狂団」のメンバーがいるのです。
王を手玉にとることもできる存在。そんな存在が黒幕である「闇の狂団」の一員だったら、もうその国そのものを乗っ取ったと同じですね。
ロシアにはラスプーチン、ドイツにはエリック・ヤン・ハヌッセン。
この2人がいよいよ皇帝に戦争するように持ちかけます。
ドイツ皇帝(カイザー)は、“私は好きな時に戦争を起こせる”と宣言するのです。
この皇帝カイザーを演じているのは、イギリス人俳優のトム・ホランダーです。
なんとこのトム・ホランダーは英国王ジョージとロシア皇帝ニコライも演じています!一人3役です!すごいですね〜。とても同じ人物が演じているとは思えないですね。
『キングスマンファーストエージェント』コンラッドが兵役に志願⁉
一方イギリスでは、キッチナー将軍が、同盟国であるロシアが参戦するならイギリスも参戦しないといけないと考えていました。
オーランドオックスフォード公と息子のコンラッド、キッチナー将軍と側近のモートンは“キングスマン”にいました。
イギリスも戦争に参戦しないといけないと、キッチナー将軍はオーランドオックスフォード公に話します。
しかし、オーランドオックスフォード公は疑問に思っていることがありました。
なぜ英国王ジョージの手紙を読んだドイツ皇帝カイザーとロシア皇帝ニコライはジョージ王の言葉を無視したのか?
キッチナー将軍にその真相を聞くオーランドオックスフォード公ですが、それに答えようとするキッチナー将軍の言葉を遮り、モートンが「失礼ながら、その議論は戦争に勝った後で」と発言します。
そしてモートンはキッチナー将軍に首相が(キッチナー将軍を)待っていると告げます。
いよいよ戦争が始まる。そう感じたコンラッドはその場で「僕も名誉ある兵役に志願を。」と父オーランドオックスフォード公とキッチナー将軍に自分の思いを口にします。
しかし、父であるオーランドオックスフォード公は、名誉?と、コンラッドが発した言葉に顔をしかめます。
キッチナー将軍は、コンラッドの申し出に喜びますが、問題もあると言います。
なぜなら、コンラッドは入隊するには若すぎたからです。
そしてオーランドオックスフォード公は、そんなことを言うコンラッドは「国のために死ぬのが名誉だと思う若造」であるとコンラッドの発言は戦争のことをわかっていないと思っています。
そしてキッチナー将軍は、「戦争の目的は国のために死ぬのではなく、敵を死なせることだ」と断言します。
そのキッチナー将軍の発言は、コンラッドの思う“戦争に参加するのは名誉である”と、戦争に参加することはあたかも誇りであると思っているコンラッドの意識を変える、戦争を何度も経験しているキッチナー将軍だからこそ言える言葉なんですね。
『キングスマンファーストエージェント』第一次世界大戦を引き起こした羊飼い率いる「闇の狂団」の本当の狙いはイギリスを潰すためだった?!
いよいよ戦争が、第一次世界大戦が勃発します。
羊飼いが率いる「闇の狂団」が掲げた計画、世界を混乱に落としれる戦争“第一次世界大戦”。当初はそれが10年かかると思っていたそう。
しかし、その戦争は予想を大きく上回り、結果としてわずか2年で達成(終戦)されようとしています。
その第一次世界大戦によって、ヨーロッパの資源は枯渇し、何百万人もの人々の命は奪われてしまいました。
そして、羊飼い率いる「闇の狂団」はこの戦争とともに、人々の信頼関係を崩壊ささせることにも成功したのです。
やがて元は同じ裕福な家門だった、イギリス、ドイツ、ロシアの三国の君主の関係はさらに悪化してしまいました。
ドイツ皇帝以上に、英国王を憎んでいる人物は…
「闇の狂団」を率いている羊飼い張本人なんです。
羊飼いが引き起こした第一次世界大戦は英国王ジョージに対する復讐だったのでしょうか?
羊飼いは「イギリスの君主政治は、羊飼いの祖国であるスコットランドを700年以上も抑圧してきた」と語り、そして羊飼いは「報復のときがきた」と、その場にいる闇の狂団メンバーに宣言するのです。
羊飼いは、ロシアが戦線から離脱するために、現在ロシアにも送っている軍を引き戻し、その軍をさらにイギリスへ向けることで、強力なドイツ軍によってイギリスを破滅させようとするのです。
羊飼いのその計画に白羽の矢が立ったのは、ラスプーチン。
ラスプーチンはロシア皇帝を意のままに操ることのできる人物です。
羊飼いはラスプーチンに…
「ジョージ王を死の淵へ追い込んでもらえるか」
「御心のままに」と、ラスプーチンは祈祷僧である人物らしく返答をします。
これがロシア帝国壊滅のカウントダウンへと繋がっていくのです。
第一次世界大戦へ繋がるトリガーを生み出した羊飼いと彼が率いる「闇の狂団」はこの先どうやって世界の混乱を巻き起こしていくのでしょうか?
また羊飼い率いる「闇の狂団」の存在をうっすら感じ始めているオーランドオックスフォード公は、その悪巧みを止めることはできるのでしょうか?
戦争に行くために兵隊を志願しているコンラッドは、この先どう動くのでしょうか?
これからの『キングスマンファーストエージェント』の物語はまた次回に解説いたします。乞うご期待!!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました(*^^*)❤
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